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「懐かしい曲を弾いているじゃないか… いつか二人でまたあの舞台を踏もう かけがえのない人、愛しい人… 怖がることはない、憂えることはないんだよと、いつか手を取り合ってともに暮らす日が来るんだ あの時と変わらない曲だな… 二人のときが来たんだ この曲を七年間ずっと探し続けていたんだ 結局、戻ってくるしかなかった つまり…ここしか帰るところがないんだよ 俺には!」 |
如何でしょう? タキシード姿(自前です!)に、このセリフ。 11月16日土曜日の夜、紀尾井ホールで行われた岡崎ゆみさんのデビュー15周年ピアノ・リサイタル。 第2部の音楽劇「マダム マクベス」の梅玉の最初のセリフです。 舞台中央にピアノ、上手に椅子が1脚。ピアノには舞台女優(岡崎ゆみさん)が独り、芝居がはねた後も残っていた。 そこに照明係が入ってきて、世間話からいつしか女優の身の上話に変わっていく。 やがて女優にはかつて愛し合った男がいて、ある日不意に去っていってしまったことがわかる。 もう七年も前のことだが、その男の面影が忘れられずに、二人の思い出の曲を弾いていると戻ってくるような気がすると…。 そしてまた二人で芝居がしたい。何度も一緒に演じてきたシェークスピア。中でも「マクベス」を。 そこへ…、男が戻ってくる。だがそれは彼女の見た幻なのか、それとも現実なのか。 二人は「マクベス」の世界へ引き込まれていく。 |
スコットランド王ダンカンの暗殺を目論み、夫を焚きつけるマクベス夫人の激しい野心には、 ショパンの「革命」。 いよいよ王位についた夫。その夫を支えてきたという強い誇りと自負心には、ラフマニノフの「音の絵」。 王位についたのもつかの間、バンクォーの霊に怯え、次第にさしてくる不吉な影に増してくる不安感を バルトーク「組曲」のリズムがそれを煽る。 魔女の予言のままに殺害を重ねるマクベスと次第に精神を病んでいくマクベス夫人。その二人にダンカン王の 息子たちが率いる軍が迫ってくる…。 リスト「死のチャールダール」の迫力ある音に包まれて、マクベスは絶命する。 |
ストーリーの要所要所にゆみさんの素晴らしい演奏が入り、それがシンプルな構成とあいまって「マクベス」の 世界を見事に作り上げていました。 男と女は、果たして再会したのか? その後二人はどうなったのか? 続きは皆さんで想像してみてください。 |
脚本・演出:蓮見正幸さん、照明:太田さなみさん、音響:吉田一人さん、 そして照明係:西村宣之さん ゆみさんはじめ、不慣れな舞台を勤めることとなりました梅玉を みなさん、暖かくサポートしていただきました。ありがとうございます。 |