特別寄稿 〜 「斑雪白骨城」こぼればなし (2)

1≪ 2

舞台稽古、そして初日


舞台稽古では、いかに芝居を美しく大きく見せるか、梅玉丈の感性と美学によって型が 決められていきました。
「男の色気を表現したい」と語る梅玉丈。
智謀を駆使した希代の軍師 黒田如水は、台詞ひとつにしても本心から言っているのか相 手を煙に巻いているのか、底知れぬ人物。
そこが如水の幅の広さ、奥深さなのですが、梅玉丈は台詞の虚と実を丹念に探りながら、 「岩豪さん、これ本心から言ってるの?」と鋭いご指摘。ポーと見惚れていた私はあわて て台本に目を落す始末でした。

夢の場。
「恨み恨みて阿修羅女と なりたるこの身の裏見れば 物狂おしき恋しさに 胸うち震え 身を焦がし ほろりとこぼす一雫…」
竹本にのって、如水恋しと舞う可憐な娘 鶴姫。

森英恵先生デザインの衣裳は、溜息が出るばかり。
如水は銀、鶴姫は金を基調にした艶やかなもの。「東西文化の融合による美をめざした」と 森英恵先生は語っていらっしゃいます。光栄なことは、私が夢の場を「鬼百合の咲き乱れる 景」と設定していたため、鶴姫の衣裳も鬼百合をモチーフにしてくださったこと。これはみ なさんに自慢したい事柄です。
台本にサインもしていただきました。一生の財産です。

初日を見て、思わず涙がこぼれました。やはり私は素人なんですね、自分の作品に感動する なんて…。
でも私が築いた土台にみごとな天守櫓を立ててくださったのは、梅玉丈はじめ超一流の先生方。

ラストシーンで磔になった鶴姫が、如水にかすかに微笑みかけながら礎の下に沈んでいくのを 見たある人は「そこに聖母の姿を見た」と言いました。「見応えがあったね」と後ろの座席のお 客様が話していらっしゃるのを耳にして、また目がうるんできました。何よりも嬉しいのは歌舞伎 を初めて観た多くの方が「わかりやすくて面白かった。すごい舞台だった、感動した」と言 ってくださったこと。

これを励みに岩豪、これからも精進してまいります。
中津城
            中津城
合元寺
                合元寺

岩豪友樹子さんのHP
 こゆき茶屋 (http://www.d-b.ne.jp/green2k/koyuki/)
  「斑雪」の舞台の模様なども掲載されています
1≪ 2
TOP / よこがお / ひとりごと / ぎゃらりぃ / すけじゅうる / ふぁん / らくがき
ご意見・ご感想などがございましたら、ご一報ください。
All content copyright baigyoku.com since 2002 無断転載を禁ず