東京新聞社のご厚意により、2009/04/05 から同紙に連載しているコラムを公開いたします。




  哲ちゃんとの思い出

 哲明さん(十八代中村勘三郎)が亡くなりました。術後肺炎にかかりおもわしくないと聞いても、まさかこんなことになるとは思いもしませんでした。私より9歳も若い人が先に逝くのは辛いです。
 今年5月、平成中村座で久しぶりに一緒に芝居をいたしましたが、本興行の出演はそれが最後だったとのこと。「お兄さん本当に楽しかったです。また中村座に出てくださいね」と楽日に言われたのが忘れられません。
 哲ちゃんとはアフリカ旅行を一緒にしたことがあります。亡父(六世中村歌右衛門)がアフリカで野生の動物を見たいと言い、富十郎兄さんがパンアメリカンの極東支配人ジョーンズさんに相談して企画してくれました。その話を聞いた、まだ中学生だった哲ちゃんがどうしても行きたいと言って中村屋のおじさん(十七代勘三郎)を驚かしましたが、亡父、私、魁春に叔父、富十郎兄さん、主治医他計9名で7日間のケニア、ウガンダ国立公園の旅をいたしました。サバンナではテントに泊まり、夜はバーベキューを食べ、朝早く起こされてキリマンジャロの朝焼けに感動し、野生の動物に遭遇し大騒ぎしたのが懐かしく思い出されました。あのかわいかった哲ちゃんが一座を率いるようになったとはいえ、これからが役者として本当に花を咲かす時にただただ残念でなりません。合掌。

2012/12/15(Sat)


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