東京新聞社のご厚意により、2009/04/05 から同紙に連載しているコラムを公開いたします。




  夏雄さん

 夏雄さん(十二代目團十郎)が逝ってしまいました。大病を患っても、必ず元気に戻ってくると信じておりましたので、"なんで"としか思えずにおります。
 芝居の世界での付き合いは勿論のこと、夏雄さんとは同い年で中学、高校と学校も一緒でしたので、学生時代ボウリングに行ったりと遊んだことが走馬灯のように思い出されました。私の方が4日早く生まれているのですが、おおらかで明るい性格の彼の方が兄貴のようでした。
 20代の時に「四谷怪談」「かさね」などで亡父(六世歌右衛門)の相手役をし、私たち兄弟と同じくらい亡父に怒鳴られた仲間でもあります。しかし、彼は母校の大学で抗議した時に「怒ってもらえたから今の自分があるので本当にありがたかった」と言っていたと聞き、彼を役者として見込んで相手役に抜擢し自分の知っている事をすべて伝えたかった父の気持ちを理解してくれていたことをうれしく思ったものでした。
 本当に天真爛漫な人間として役者として大きな人で、舞台に出てくるだけで弁慶に、助六になっているそんな役者でした。
 学校の同窓会でした「三人吉三」、またやろうと言っていたのに井上(六世松助)も夏雄さんも逝ってしまい、私1人しか残っていないなんて、嘘であってほしい…。

2013/02/09(Sat)


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