ひとりごと 〜 12/04

3月演舞場も無事千穐楽を迎えたと思っているうちに、もう4月も半ばになってしまいました。
それなのに今回が2012年初めての「ひとりごと」となります。いつもどおりとも思いますが、今回は特に長く空いてしまいました。2月の休み月のときに書こうと思っていたのですが、月の始めのうちはのんびりと過ごしてしまい、中程からは3月の舞台の準備を始めたので結局今回までのご無沙汰となってしまいました。


1月の舞台では高いところの苦手な私が昼は木登り、夜は梯子登りで……。少なくとも新しい歌舞伎座ができるまではもう登らなくとも良いだろうと思っていたのですが、5月に中村座の「め組の喧嘩」でまた梯子を登ることとなりました。
中村座ロングランの最終月に勘三郎さんに誘われての出演となります。昼の部で今年2度目の「め組の喧嘩」の喜三郎ですが、今回は喜三郎宅の場がつくので喧嘩を止めに行く理由も分かり易いのではと思います。客席との距離が近いこの劇場で演じるのを楽しみいたしております。


2月末、京屋のおじさんの訃報は覚悟はしていたとはいえ、ショックでした。父の時代の方は誰もいなくなってしまっておりましが、その次の世代も天王寺屋さん神谷町と昨年相次いで旅立たれ、山城屋の兄さんだけになってしまいました。兄さんは本当にお元気でいらっしゃいますが、無理はなさらずご活躍いただきたいです。

私自身知らないうちに上から数えた方が早くなってしまいました。父達の代のおじさん達の教えを後輩に伝えていくことが本当に大事なことと改めて思いました。時代とともに歌舞伎が変化するのは当然とは思います。しかし、先輩の作り上げたものを学んだうえで変えるのは良いとしても、初めから自分勝手な考えでやるのは如何かと思っております。先輩と同じようにと演じるつもりでもおのずから自分の未熟さが出てしまいますが、回を重ねることによって自分も成長しそれが己の芸になるのです。
私は後輩が聞きにきたときは、必ず私が先輩から教わったことを伝えるようにしております。そんなときは私自身も梅幸おじさん達に教わったときのことを思い出し新たな勉強になっておりますし、自分自身が演じたくなることもあります。


3月は上方の芝居「小さん金五郎」の金五郎を勤めました。
先々代の延若さんが得意とされた作品でご子息の三代目延若おじさんが演じられたときのビデオが残っておりそれで勉強させていただきました。自然に醸し出される上方の味を出すのは、川崎生まれ東京育ちの私には無理ですので、あえて意識せず勤めさせていただきました。台本が時代遅れという評もあったと聞きますが、それに対しては私も反論したいところあり、私自身はこれからも演じていきたい作品となりました。


昨年は一ケ月しか休みませんでしたが、今月は今年2回目の休み月となりました。少し喧騒を逃れてボストンバック一つで気の向くまま、そんな旅をしてみたく計画を立てております。実現するかな?


5月は平成中村座。スカイツリーと浅草寺と下町情緒をお楽しみにお出かけください。
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