ひとりごと 〜 10/12

長いお休みをいただいてしまい、申し訳ございませんでした。


京都に来て半月が経ってしまっておりますが、まず始めに10月のことからご報告さ せていただきます。私から離れて国立劇場に出演させていただきました梅丸が奨励 賞を頂戴いたしました。
「天保遊侠録」で播磨屋演じる勝小吉の息子役勝麟太郎を勤めましたが、彼にとっ ては台詞も多く、梅蔵がいるとはいえ不安な一ト月だったようですが、播磨屋や演 出の織田さん始め皆さんに良く教えていただき、沢山なことを学ぶことができたよ うです。
演舞場の楽日が1日早かったので、見てやることができました。行儀よく演じてい たので安心いたしましたが、これを励みに驕ることなくこれからも勉強してほしく 思っております。お声をかけていただき良いお役ができるということは幸せなことす。 特に子役や少し大きくなったくらいのときのお役は、その時にしかできません。次に その演目がかかるときは背も伸び大人びてしまっていて出来なくなっていますので、 今回お声をかけていただけラッキーな子だと思っております。
これからはもっともっと稽古をして役者として成長してほしく、また皆さまのご後援を 私よりお願い申し上げます。


 さて、私ですが10月の演舞場はどうしても亡父を思い出してしまう「頼朝の 死」の頼家。感情過多にならぬよう、父に何度も言われたように慣れが出ないよ う、また弟魁春の御台所政子とも違和感なく勤めることが出来ました。
「どんつく」はおじさん方を偲びながらも楽しく踊らせていただきまし た。


11月の「国姓爺」に出演するのは初めてでしたが、目に残っている先輩達の甘輝を 手本に智勇優れた武将になるべく、また藤十郎兄さんの夫役として小さくならない ようにと勤めました。江戸時代の人達は、外国が舞台となるこの作品に驚きと憧れ を持って観たのだと思いますが、今の時代でもスケールの大きな作品だと思いま す。甘輝は京劇のような衣裳で、私にとって初めての長い顎髭をつけまたが、結構 評判も良く私自身も気に入っております。今後、自分の持ち役としたいお役となり ました。


楽日に東京で稽古があり、その足で京都に参りました。今年の顔見世は昭和53年以 来とうことですが、終演時間が10時半を回ります。
私の子供の頃は11時頃までで、初日などは12時過ぎており京阪電車が顔見世列車と 云って終演に合わせて走るという優雅な時代だったのかもしれません。とにかく最 近では珍しい狂言立てで、私の出番「鳥辺山心中」ではどなたもご見物がいらっ しゃらないのではと心配しましたが、ほとんどのお客様がお帰りにならずにご見物 くださっており有難いことです。
前に琴平の金丸座で演じた時に花道の引っ込みですぐ脇に座っておられたお客様が 「死ぬんじゃないよ」とおっしゃったことがございましたが、そのように今月のご 見物の方たちが帰る時間を忘れて芝居の中に入り込んでいただけるように勤めたく 思っております。

昼の部では「寺子屋」の源蔵を勤めておりますが、芝雀さんの戸浪では2回目です し、松王は播磨屋、千代は魁春ですので稽古からすっと入ることができました。慣 れが出ないように、心して勤めております。


昼の部が終わって夜の部の出番まで8時間以上あります。一度ホテルに帰ってまた出 てくるのですが、あまり時間がありすぎて始めはどうやって時間をつぶそうか考え てしまいました。あんまりゆっくりしすぎてもだらけてしまい、次の芝居にさし障 りますのでリズムを崩さないように注意して、また夜は遅く食事が11時になります ので、無事千穐楽まで勤められますように身体に気をつけて過ごしております。そ んな訳で今回は京都の楽しみも自粛しており、静かに師走の京都を過ごしてま す。


1月は演舞場での初春興行、2月は何年振りになるのでしょうか、久しぶりの名古屋 御園座出演となりました。


今年も怠けながらの「ひとりごと」をお読みいただきありがとうございました。新 しい年もマイペースでまいりますが、劇場にお運びのうえご見物いただきますよ う、このページも覗いていただきたくお願い申し上げます。


皆さまにとって新しい年が良き歳となりますようにお祈りいたしております。
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