ひとりごと 〜 09/12

「仮名手本忠臣蔵」も無事千穐楽を迎え、翌26日には京都に入りました。
かみさんは神戸、大阪に挨拶に行くと云って朝早くに出かけましたが、私は稽古が27日のお昼からなので、のんびりと夕方の新幹線で参りました。

今回は昼の序幕。東京より開演が早いので朝の苦手な私としては、ちょっと辛いのですが先月も序幕からでしたので、あと30分早く起きれば良いと自分に言い聞かせリズムを作るようにいたしました。思い通りにならない苛立ちを持ったままに出家する、そんな高綱を前回より重みがでるよう演じたく思い、化粧の仕方も前回とは変えてみました。

夜は音羽屋さんにどうしてもと言われ思いもよらなかった「土蜘」の保昌。
武将としての強さと品格を大事に私なりの保昌をと考え、結構楽しく勤めさせていただいております。
「土蜘」では梅丸の太刀持がやはり気になります。敏捷に動かなくてはならないのですが、どちらかというと運動音痴ですので、心配いたしました。毎日が勉強と、楽まで進歩し続けてほしく思っております。
昼の部では音羽屋さんからお声をかけていただき「大蔵卿」の女小姓もさせていただいておりますが、次々にお役をいただき幸せなことと思います。謙虚な気持ちを忘れずに精進してほしく思っております。

11月は序幕から切りまででしたが、今月は序幕からでも夜の二番目で終わりますので、身体が楽です。京都は第三部(?)があるからと家内に釘をさされましたが、京都に来たなら絶対に外せない、大市のスッポン、いな梅の鰤鍋、畑かくの猪鍋は、いつもご一緒する方たちと今回も約束ができました。皆さんもこれ等の鍋はぜひお試しください。癖になること事請け合います。

京都の顔見世は南座の風情は勿論、京都の街に師走を感じるとでもいうのでしょうか。東京での12月の芝居とは違った雰囲気がございます。その雰囲気を、役者も楽しんで舞台を勤めております。客席もきらびやかに着飾ったお客様が昔ほどいらっしゃらなくなったとは云え、やはり情緒がございます。一度は京の顔見世はご覧になるべきかと思います。


11月、今の歌舞伎座での最後の「仮名手本忠臣蔵」─ 久しぶりに芝居を見に来た娘に「最後美味しいところを持って行く、かっこいい役じゃない」と言われましたが、服部逸郎は本当に気持ちの良いお役です。今までの芝居の流れを損なうことなく、お客さまとご一緒に義士を見送る、そんな気持ちで幕を閉めさせていただきました。
大序から切りまで、最後の「忠臣蔵」に関わることができ幸せといえるのではないでしょうか。


正月歌舞伎座の出演も決まりました。
さよなら公演が始まってから3回目の「勧進帳」─ 市川宗家の弁慶で富樫を勤めます。
元気になった夏雄さんとの共演、本当に嬉しく思います。夏雄さんとは同級生ですので気心の知れた相手、狎れが出ないよう、心して大切に勤めたいと思っております。
太刀持は今回、玉太郎が勤めます。12月は正座と太刀の渡し方の特訓とのことですが、可愛い太刀持になると楽しみにしております。
続いて播磨屋の「松浦の太鼓」で大高源吾を、夜は久しぶりに京屋さんとご一緒いたします。
父の晩年には、いつも代役として楽屋に控えてくださった兄さんに、少しでもご恩返しができればと、ご一緒できること嬉しく思っております。


風邪に気をつけ、京の舞台と芝居後を楽しく過ごして参ります。
今年中にもう1回は?……… 年明けになる気がいたしますので、この一年「ひとりごと」お読みいただきましたこと御礼申し上げます。
このホームページのリニューアル計画が進んでおります。私自身はカヤの外におりますが、今の歌舞伎座お別れのころにはリニューアルされるのではと思っております。それからは、もう少ししっかりとやるようにとの話が……。それは聞かなかったこととして、いままでどおりマイペースでやってまいりますので、新しい年もホームページは勿論のこと、舞台のご後援もよろしくお願い申し上げます。

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