ひとりごと 〜 09/09

9月の初日が開き10日経ちました。いつものことですが長期の休みの終わりになると仕事のリズムを取り戻すように、生活を次の芝居の出演時間に合わせて変えていきます。先月の弟子の指導から、今月の前髪若衆のお役に合わせて気分も若返るように……何しろ30年ぶりの白井権八だそうですので、その年数だけでも権八の年は過ぎております。杉村春子先生が17歳のときは17歳を演じるのは難しい、40,50になってからの方が17歳を演じることができると何かでおしゃっておられましたが、確かに若いときは演技ではなくそのままでその歳に見えますが、この歳で若い役を演じるには芸というものが必要になってきます。梅幸おじさんは80になられても前髪若衆がお似合いになり、品格、色気が感じられ、身体から醸し出す雰囲気が若々しくそれは素晴らしい若衆でございました。それが本物の芸ですが、私も今の歳になってやっと照れることなく自然体で役に入っていけるようになりました。ご覧くださった方々にも前髪が似合うと思っていただければと勤めさせていただいております。

「鈴ケ森」の物語はどうということなく、弱々しくみえる権八がバッタバッタと人を斬っていく立廻りをみせ、最後は座頭役者が勤める長兵衛が出てきて芝居を締める。長兵衛との対比で若衆役が引き立ち、また権八との対比で座頭役者の貫禄が光る。芝居とは良くできたものだと思います。
権八も長兵衛も駕籠から出てきますが、そのときに風情が感じられないといけませんが、播磨屋は貫禄のあるとても結構な長兵衛ですので私も負けないよう若い男を色気を持って勤めさせていただいております。

昼の部の「河内山」の松江侯は色々な方の河内山で勤めさせていただいております。高麗屋とも何度目になるでしょうか?悪人というより我侭な殿様、何度も申しますように、大名の品格を大切にして暴君を勤めさせていただいております。


8月の勉強会には梅玉会の方も大勢さまご見物いただき、ありがとうございました。
梅丸は「趣向の華」に昨年に続き出演させていただきました。「藤娘」の小鼓を梅若玄祥師、尾上清風師の脇で打たせていただきましたが、日頃の佐太郎先生の教えと、この日のためにご指導くださった傳次郎さんのお陰で恙無く演奏することができました。また「化け猫騒動」では難しいお役を頂戴し、藤間宗家を始めとして、芝雀さん、そしてお兄さん達の梅枝君、壱太郎君たちに色々と教えていただいたようです。私は舞台稽古までノータッチでしたが、皆さんに良くしていただき、本人にとっても勉強となり有難いことです。
9月は播磨屋にお名指しいtだき「勧進帳」の太刀持ちを勤めさせていただいております。また、10月もお役をいただきましたので国立に出演いたします。勉強との両立が大変かとも思いますが、いま芝居に出られるのは幸せと、頑張らなくてはいけません。
梅蔵が「趣向の華」のときも心配そうに観に来ておりましたが、梅丸の教育をすることで、梅蔵自身も成長してほしく思っております。

梅之は「稚魚の会・歌舞伎会合同公演」以外に「趣向の華」で悪役の腰元を、他の会でも後見の勉強をさせていただきました。研究熱心によく勉強したと思います。しいて言えば、もう少しホンワカすると良い歌舞伎味が出るのではないかと思っております。
梅秋は思ってもいなかった大役「与三郎」を頂戴し、挑戦の夏を過ごしました。始めはどうなるかと心配しましたが、まじめに取り組み本番は力を出し切ることが出来、まあまあ良く勤めたと思います。
それぞれが充実した夏を過ごしましたが、この経験を生かし精進していってほしいです。


秋の一日歌舞伎座ご見物お待ちいたしております。
10月は久しぶりに国立劇場に出演いたします。新作ですのでどんな芝居になるか今から楽しみにいたしております。こちらもご期待ください。

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