ひとりごと 〜 09/07

6月の舞台が終わり、7,8月と2ヶ月のお休みに入りました。早々にドックに入り健康診断をいたしました。数値的には一応問題は無いが、注意はした方が良いと主治医に言われ、家内は「だから何時も言っているのに」といった顔をしておりました。反省は………、少し注意はいたすつもりでおります。


さて、6月の舞台は久しぶりに4役でございましたが、それぞれ気分の変わるお役で、楽しんで勤めさせていただきました。
松島屋の一世一代「女殺油地獄」─ 千穐楽はアンコールもあり大変な拍手で、松島屋が楽屋に戻り衣裳を脱いだあとまで、お客さまは帰らず拍手が続いておりました。私もその舞台にご一緒したので感無量でございましたが、松島屋はほっとした気持ちと寂しさがあったのではと拝察いたしております。次の世代がしっかりと松島屋の芸を継いでいってほしいと願っております。
お子さん方、千之助くん、金太郎ちゃん、玉太郎も、みな元気に千穐楽まで勤めました。小さいうちは、いかに飽きずに嫌がらずに舞台に出てくれるかと周りが気を使いますが、それぞれの親御さん達は勿論のこと、お弟子さん達そして私も、3人共にかかわっていたのでほっといたしました。

「蝶の道行」の幕開きに光り輝く2匹の蝶、今のお客さまでもどよめくのですから50年近く前のお客さまはもっと驚かれたと思います。武智鉄二先生監修のこの蝶や装置は、初演当時は賛否両論だったというのもわかります。それにしても父と梅幸おじさんの踊りは素晴らしく、拝見していていつか踊りたいと思いました。実際に踊らせていただいてかれこれ40年。今でも演じる度に新鮮に感じられるこの舞踊は、私の好きな作品の一つです。新しい歌舞伎座でも踊りたく思っております。


楽の翌日は年に1度の後援会の懇親会がございました。
いつも何かアトラクションをするのですが、今回は大田佳弘さんのピアノ演奏でリストの「メフィストワルツ」を踊りました。邦楽には三拍子がございませんので、踊ったことのないリズムに戸惑いました。振付をお願いした藤間蘭黄さんが一番ご苦労なさいましたが、私自身も「蝶の道行」より汗をかきました。
大田さんのピアノはとても素晴らしく、振付も大変結構で作品としては良いものに仕上がったのではと存じます。踊りのあとは普段お会いできないお客さまと直に接しお話させていただく貴重な楽しい一時でございました。


父が元気なころは毎年海外に行っておりましたが、父が病気してからは15年位行っておりませんでした。この夏、ザルツブルグ博物館で日本展が開催され、それに父が舞台で着た「揚巻」の裲襠(うちかけ)が展示されるので、オープニングに招待され、月中からオーストリアに行くこととなりました。丁度ザルツブルグ音楽祭と重なりますので、奥さん孝行で音楽祭の初日のオペラ、翌日のウィーンフィルのコンサートと拝見してから帰ることにいたしました
父の最期の海外公演となった平成2年のパリ・フランクフルト公演後に父達とウィーン観光はいたしておりますが、久しぶりにウィーンも巡ってこようかと思っております。その旅行から戻りますと、すぐに子供歌舞伎体験教室と、稚魚の会・歌舞伎会合同公演の指導が始まります。
舞台の方は2ヶ月休みでも、丸々ゆっくりと云う訳にはいきませんが、心身共にリフレッシュして秋からの舞台に備えるつもりでおります。9月は前髪役ですので、なおさら若返らなくてはと思っております。


まだ暑さも残るころではございましょうが、9月歌舞伎座のお芝居をお楽しみにお出かけくださるよう今からご予定にお入れいただきたく存じます。

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