ひとりごと 〜 09/02

立春も過ぎ、春の気配が感じられるこの頃となりました。「歌舞伎座さよなら公演」の一 ト月目も無事千穐楽を迎えました。その舞台の序幕で「寿三番叟」を踊れたことは幸せで ございました。
そして今月は夜の部のみの出演。家を出るのが4時半頃ですが、「勧進帳」の義経を勤める 前にどこか遊びに行く気にもなれず家に居り、本を読んだり、来月の台本に目を通したり しております。


「勧進帳」 ─ 播磨屋の弁慶で義経は何度も勤めております。気心が知れておりますので演 じやすいのですが、いつも申すように"慣れ"が出てしまうと役がだれてしまいますので 、それだけは注意しております。
富樫は音羽屋さんですが、私の義経はもちろん成駒屋型でいたしております。前にも書い たと思いますが、お能の子方の心を持って演じるのが音羽屋型、御大将の心で演じるのが 成駒屋型、着付けも少し違っており、座り方など演じ方も少し違いがございます。今後両 方の型を見比べるのも一つの見方かとも存じます。
この役は亡父より直接教わったただ一つの役といえると思います。若い頃は何もせずに座 っているのが辛かったですが、最近ではそれが辛くなくなりすんなりと気持ちが入ってい くようになりました。
今回は四天王に段四郎さん、そして染五郎、松緑、菊之助君で華やかな四天王になってお ります。そんな中、梅丸が音羽屋さんからお名指しをいただき太刀持ちをさせていただい ております。本興行で3度目となりますが、一番"慣れ"が出るころなので、毎日が初日と 注意いたしております。
お名指ししていただけたことが幸せですが、小学校一年生で弟子入りした梅丸も4月から 中学生、もう可愛いではすまなくなる歳ですので、これからもお名指ししていただけるよ う精進してほしく思っております。


来月は「元禄忠臣蔵」の通しでございます。
2年前に国立劇場で3ヶ月かけていたしましたが、今回は1日での通しとなります。
私は昼の部では前回と同じく浅野内匠頭を勤めます。物語の発端のお役でございますので 、短気な一面と思いを果たせなかった悔しさと、家臣たちのへの思い等を大名の品格を崩 さずに出したく思っております。
夜の部では初役にて「仙石屋敷」の仙石伯耆守を勤めます。いまから台本を読んでおりま すが、赤穂浪士を理解し、情のある旗本で大目付。来月までに美保先生がいらしたら仰っ てくださったであろうことを考えながら、役を掘り下げたく思っております。
この場に梅丸もお役をいただきました。今月に続いての出演で本人は大喜びです が、いつもどおり梅蔵や付き人さんが気を使うと思います。

今月もそうですが、来月も女形さんの出番の少ない芝居です。立役さんは大勢で、何しろ 浪士だけで四十七人。前回歌舞伎座での通しのときは女形さんたちも浪士で並びましたが 、今回は如何なりますでしょうか?
ちなみに、歌女之丞や春花も前回は浪士をいたしました。


今回も短くなってしましましたが、お許しのうえ、早春の一日、芝居見物をお楽しみくだ さい。
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