ひとりごと 〜 08/12

12月の初日も開けて1週間が経ち、今年もあと3週間となりました。
この「ひとりごと」を始めて丸6年たち、よくここまで続いたと自画自賛いたしております。
これからも、マイペースでのんびりと続けていきたく思っておりますので今後ともよろしくお願い申し上げます。


11月の舞台も無事千穐楽を迎えさせていただきました。
夜の部だけの出演でございましたので、朝はのんびりと過ごしましたが、12月は序幕からとなりましたので朝型人間にギアチェンジを…、といっても夜更かしは直っておりませんが、朝はちゃんと起きております。1月も序幕なので暫くは朝型が続きます。

11月「寺子屋」─ 千之助ちゃんも玉太郎も無事勤めることができました。
お正月の舞台でこの2人が「鏡獅子」の胡蝶を勤めることになりましたが、両方のおじいちゃん、おばあちゃん達は、今回以上にドキドキのようです。当の二人は出られることが嬉しくてしかたないようです。可愛い胡蝶になることでしょう。
さて源蔵でございますが、一箇所いつもと違うやり方でさせていただきました。
今までは首実験のあとは最後まで舞台にいたのですが、いろは送りの前に一度引っ込み、焼香台を持って出るという仕事が一つふえました。
これは松島屋型のやり方で、前回名古屋でご一緒したときは、私は源蔵初役でございましたので橘屋のおじさんに教えていただいたとおりにさせていただきました。今回は、松王夫妻が関西の方でしたのでご相談のうえでこのやり方を選択いたしました。
戸浪は魁春ですのでどんなやり方になっても、気にすること無く、すっと入っていけました。
次回演るときは、どの型でするかは共演者とのご相談になりますが、この型も大事にしたいと思っております。

「八重桐廓噺」─ 情けないようでいて、最後は怪力を妻と子供に与えて死ぬ。なんとも不思議なお話しでございます。
理屈では演じられないお役ですので、演じるのではなく自然にその風情が出なくてはなりません。梅幸おじさんはこういうお役を、見る側にも自然に受け止めさせてしまうよう、事も無げに演じておられました。私も最近は前より照れずに演じられるようになってはまいりましたが、そんな風にご覧になっていただくことができましたでしょうか。
こういうお役はこれからも持ち役としていきたく、おじさんに一歩でも近づくことが、今でも目標でございます。


さて、12月でございますが、
新歌舞伎十八番「高時」は天狗に謀かさられる暴君北条高時のお話で、奢れる者は愚かなりという芝居でございます。
その奢る暴君を初役にて勤めます。天狗との絡みは、結構大変で体力が必要ですし、暴君とはいっても、主君としての器と品格は大事でございます。そして如何にかっこ良く莫迦にされるかも課題です。

夜の部は「名鷹誉石切」の大庭三郎景時を、これも初役にて勤めます。
梶原平三は他の芝居では敵役で扱われる人物でございますが、この作品ではかっこ良い役となっております。でもよく考えると、主人の敵方に味方し、人を騙して刀を自分のものにするのですから、狡いといえるのではないでしょうか。しかしそこが芝居。そんな役をかっこ良くしてしまうのです。
さて私が演じます大庭ですが、決して悪役ではないので、これも大名としての品格と大きさを大事にいたしたく思っております。
余談となりますが、何年も前にこの大庭のご子孫にあたる方がお孫さん達とこのお芝居をご覧になり、「なんだ、うちのご先祖悪い人だったの?」と言われがっかりなさり、こんど大庭が良いお役のときに一族皆で見に参りますと仰っておられました。ご存命でしたら今回見ていただきたかったのですが、それはかなわぬこととなり残念でございます。


師走を東京で過ごすのは3年ぶりでございます。京の師走も捨てがたいですが、久しぶりの東京でのクリスマス、家族と七面鳥でも食しますか!
ともあれ、師走の歌舞伎座をご見物くださり、その前後に銀座のクリスマスをお楽しみいただくのもよろしいかと存じます。


この一年のご愛読有難う存じました。新しい年もよろしくお願い申し上げます。

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