ひとりごと 〜 08/10

10月に入り、めっきり涼しくなり秋を感じるようになってまいりました。

9月巡業翌日1日の休みで、10月の稽古に入りました。
播磨屋始め、私も魁春も、いつもの「井伊大老」では演じている役ですが、埋木舎から始まる通しの上演は初めてなので、演出の織田さんを中心に出演者一同、意欲的な稽古となりました。
こういう芝居は、先輩のなさったやり方、北條先生のご指示は尊守するものの、自分達で作り上げる楽しさがございます。
時代の中で、非情にならざるえなかった長野主膳。日本の将来を案じる、武士では無い国学者の主膳が、直弼の出世とともに江戸に出て、片腕として直弼を助け、先頭に立って残酷ともいえる政策を行わなくてはならなくなっていく姿を、埋木舎で静かに直弼との愛のある生活をしていたお静が時代に翻弄される姿を、北條先生は直弼と共に、この二人にも愛情ある扱いをなさっているように台本を読んで感じました。
いわゆる近代歌舞伎の作品でございますが、あくまでも、新劇ではなく歌舞伎としてお楽しみいただきたく、またそのように、演じる覚悟でございます。


一つ、うれしいニュースです。この舞台で歌江さんが復帰いたします。
2月楽日で腰をいため、無理を押して3月舞台にでていたのですが、後半には動けなくなり休演。楽日に入院いたしました。
1ヶ月治療にあたり、5月連休明けにリハビリ専門病院に転院いたしました。この世界に入ってから始めての6ヶ月間の休演、入院は小学校依頼とのこと。痛みが取れたあとは退屈だったようですが、舞台に出たいとの一途でリハビリにがんばっておりました。
8月初めに退院し、本人は巡業にも行きたかったようですが、列車,バスでの移動などが負担になるのではと思い、10月まで我慢してもらいました。
一門にとって大事な人ですので、復帰を本人以上に喜んでおります。まだまだ元気に舞台を勤めてほしいし、私や魁春は勿論のこと、弟子達にも色々と教えてほしく思っています。


9月の巡業は病人も出ることなく、台風も避けることができ、大雨警報が出た日も事なきを得、無事に終わりました。
今だから言えますが、舞台稽古で魁春が怪我をし、心配いたしましたが、大事にならず、連日二役を無事務めることができました。本人もびっくりするくらい、痛みもなかったようです。魁春はどこでも、美味しいところを知っているので、食事には困らず、ほとんど一緒に食べておりましたが、終演後は私より元気に過ごしておりました。

巡業のプログラムに高麗屋の弁慶の回数の表が載っていたそうです。その表に共演者も出ていたとのことで、暇な人(?)が数えたら、富樫で230回、義経で103回ご一緒いたしており、昭和57年10月名古屋御園座幸四郎襲名興行での義経でご一緒してから計333回、約3分の1もお付合していたのですね。富樫が150回位と思っていたので吃驚いたしました。富樫は播磨屋の240回の次ぎ、義経とあわせると、一番数が多いとのことです。
他の方とも富樫,義経としておりますから、合わせると何回になるのでしょうね?あまり考えたこともなく、父の言う「毎回初心を忘れずに、それでいて前回より(前日より)進歩しているように」を大切に、マンネリにならないよう勤めてまいりましたが、父が見たらまだまだと苦い顔するのではと思います。
いずれにしろ、千回勤めるのは大変なことだったと思いますが、15日の東大寺での千回目公演、野外の舞台とのことですのでお天気で盛況の公演となるようお祈りいたしております。


芸術の秋、10月の国立劇場へのお出かけよろしくお願いいたします。
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