ひとりごと 〜 08/05

一ト月の休みもあと数日.....。28日からは稽古が始まります。

今日(24日)は、国立劇場に歌舞伎研修生への講義に参りました。講義などと云う柄ではないので断ったのですが、交代で皆さんなさっているので、とのことでお引き受けいたしました。研修に入って一年たっている方達で、普段演技面の講習は受けているわけですから、技術面の話しではなく、今後芝居を続けていくときの心構えになればと思い、父たちの代の方々の芝居への思い等を話ました。
何か今後に役立てば嬉しいのですが、どうでしょうか?


3月は気持ち良い若衆役一役のみで、午前中に仕事が終わりあき時間も多かったのですが、やはり芝居中と休みは違います。
月末の三津緒師匠の会、父とも踊った「珠取り」をご一緒させていただきました。その翌日名古屋に参り、染五郎君の稽古に立会いました。
梶原源太は柄に合っていて、華やかさの中に品位、そして憂いがあって、持ち役になると思います。与三郎は姿はうってつけ、もう少し粋に、照れずに演じられるようになればと思い、初日終演後にもおじさんたちに言われたことをお話してきましたが、きっと楽までに進歩して良い与三郎を演じられたことと思います。これから何度も演じて自分のものにしてほしく願っていますが、まだまだ私も負けずにこの二役は演じていきたく思っております。


初日翌日、家内と京都で待合せ、天橋立へ参りました。私はこれでやっと、日本三景を全部見ることが出来ました。両岸の丘の上から股覗きをいたしましたが、橋が天に向かう景色と、龍が天に昇るように見える景色を二つ見ることが出来ました。
ワインの美味しい宿に泊まり、天橋立ワインを始めて飲みましたが、大変美味しく頂戴いたしました。
帰りに京都に寄り、都をどりを拝見してまいりました。小富美姉さんのをどりは、さすが別格で勉強になりました。ほかにも知り合いの芸妓、舞妓さんたちが出演されておりましたが、華やかなをどりを堪能させていただきました。


桜 ─ 東京で満開の桜を、国立劇場の桜、お堀端の桜、神宮外苑の桜、青山墓地の桜、隅田川の桜と、仕事に行く時や父のお墓参りのときなどに、ついでのお花見を楽しみました。天橋立はまだ1〜2分咲きでしたが、宮津(橋立の隣町)で樹齢四百年の枝垂桜「含紅桜」を見ることができました。満開のときもう一度見たいものですが、威厳があって優雅な雰囲気の桜で、父の舞台を思いだしました。
京都では人ごみを避けましたのでお花見には参りませんでしたが、歌舞練場の桜を、をどりと共に楽しみ、見物後の食事のあと高瀬川添いの桜を楽しみました。木屋町筋も四条上ルの辺りは人、人、人ですが、四条下ルの方は人も少なく、ぼんぼりの明かりに桜が浮かびとても綺麗でした。翌日に、小森と籠本の両おかあさんのお墓参りとついでのお花見、そのあと三十三間堂に何年かぶりに参りました。

その後東京に戻り、新橋金田中での福邑先生の舞の会に伺いました。こちらは江戸の粋な踊りを拝見し、こちらも勉強させていただきました。福邑先生は梅丸の最初の踊りの先生で、そのご縁で私のところに弟子入りしたこともあって、梅丸も見物に来ておりました。
翌週始めに、1泊2日で人間ドックに入りました。先生は「問題なし、生活は今まで通りでOK」とのことで私は自信を持ちましたが、カミさんは「先生は、そうは仰らなかった」とうるさく色々言っております。

その後、父が見たいと言っていた桜を追いかけました。
山梨県で王仁塚(わにづか)の桜、神代桜、大糸桜。先の2本は江戸彼岸桜ですが、姿は対照的でした。
真直ぐに高く伸びている王仁塚は畑の中の一本桜で、威厳があり、それでいて優雅で感動しました。神代桜は神社の境内にあり、枝が横に広がり太い幹が年輪を感じさせる桜で、近年痛みが激しくなったそうですが、数年前に養生してまた美しい花を付けるようになってきております。これも風格のある樹でございました。大糸桜は枝垂桜でこれも畑の中で堂々として美しい長い枝を風に遊ばせておりました。
清里滞在中に、少し足を延ばし高遠の桜を見てきました。お城の城主の内藤様のご子孫と親交があり、父はこの城跡の桜を見に行きたいとよく申しておりました。父の代わりにお城跡の千五百本の桜を楽しんでまいりました。


滅多にない4月の休み、父のしたかった桜前線の旅の何十分かの一を歩きました。
樹齢三百年以上の桜の持つ威厳というか、風格。そして優雅さ。役者にとって大切なものをすべて持っている。父が桜の花が好きだったのが何故だか分かった旅でした。また機会があれば、岐阜淡墨桜なども見に行きたく思っております。


5月は團菊祭。
どちらのお役も劇団の方々の纏まっている中に入るのですから、チームワークを壊さないように、とは言っても、夏雄さん(團十郎丈)音羽屋さんの芝居ですので楽しみにしております。侠客と、鳶頭の違いはありますが、どちらも粋と気風を大切に勤めたく思っております。

この月が終わると暫くは地方公演が続きますので、歌舞伎座のご見物お願い申し上げます。
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