ひとりごと 〜 08/02

2月も半ばとなって参りました。暮の京都は暖かかったですが、今年に入ってからは冬らしい日が続いていると思います。雪は見るのは良いですが、積ると、やはり難儀いたします。


先月の「梅玉会新年会」、いつよりも大勢様にご出席いただきありがとうございました。皆さまからは昨年受章いたしました「紫綬褒章」のお祝いもしていただき、恐縮いたしております。
小島さんとのフラメンコとのコラボレーション、私は楽しんで………、とはいえもう少し踊り込んでからの共演がしたかったですが、素晴らしい時を持つ事ができました。当日にもお話がありましたが、重心の持っていきかたが、バレエよりも近く感じました。これからも、機会があればご一緒させていただきたく思っております。
ご出席の皆さまも私同様に楽しい時を持っていただけたならば、幸いに存じます。


1月の舞台、「猩々」はお正月に相応しいよう、大らかに舞わせていただきました。若い染五郎さんとご一緒、楽しませていただきました。
「大蔵卿」─ 先輩の教え、亡父に注意されたこと、それらすべてを踏まえて、自分の鬼次郎を演じても良い年と思い、新たな気持で演じさせていただきました。
吉右衛門さんとはなんの心配もなく共演でき、これも楽しんで演じました。
「助六」─ 楽しんで演じるまでにはまいりませんでしたが、一歩でも梅幸おじさんに近づけるよう勤めさせていただきました。しかしお正月らしい、華やかな舞台に出るのは、これも楽しいものでございます。

新年会でも申しましたが、最近舞台が楽しく、役に苦しむことも、また楽しいと思える此の頃でございます。父が聞いたら、「まだ早い、まだまだ修行と」怒られそうですが、今年一年も楽しんで舞台を勤めさせていただきます。


2月の舞台は、初役と何度も演じている「熊谷陣屋」の義経。何度も申しますよう、義経は非情さと優しさを持って、御大将の心で演じさせていただきます。
「小野道風青柳硯」は見たこともないお芝居でございます。
話しは、柳に蛙が跳びつくのを見て謀反の重大さを悟るというお話しで、あとは何とも荒唐無稽な筋立てでございます。まぁ、そこが歌舞伎といったところでございましょう。おおどかな、歌人の相撲の立回りをご覧くださいませ。

今日も雪、風邪などひかれませぬよう、お大切になさって、歌舞伎座にお運びください。


3月は序幕のみ、4月はお休みをいただきました。季節の良いときのお休みでございますので、舞台の楽しいのとは別に、何か楽しいのんびりとした計画をと思っておりますが、たまには、奥さん孝行も考えないといけませんね!







一つ、辛いご報告をしなくてはいけません。

初日朝に電話が入り、元弟子の梅二郎(麻尾欣吾くん)が1月31日夜に、車に撥ねられ亡くなったと知らせてまいりました。3歳で、お父さんの仕事の関係でベルギーに行き、その後は16歳までフランスで生活し、日本語よりもフランス語が得意。そんな彼はかえって日本文化に憧れたのか、国立研修生を経て、私のところに弟子入りいたしました。まじめに舞台に取り組み、人の見ていないところでもきちんと仕事をしてくれておりましたが、一昨年、家族のことを考えてフランス語の通訳の仕事がしたいと退職いたしました。新しい道もこれからやっと軌道に乗る時に………。仲人をしたのもついこの間のことで、子供もまだ3歳。なんともやるせない気持で、ご両親にも、ちえちゃん(奥さん)にも、かける言葉が見つかりませんでした。葬儀の折りには芝居の仲間が大勢来てくれて、いつもマイペースで、飄々としていた梅二郎を慕ってくれた仲間がいたことを有難く思いましたが、辛さも増す気持もいたしました。

冥福を祈ると共に、残されたご家族をちゃんと見守ってほしいと願っております。梅二郎を気にかけていただいた皆さまに、今までのご後援の御礼申し上げます。
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