ひとりごと 〜 07/01

新しい年となりましたが、皆さまには如何お過ごしでございましょうか? お正月の歌舞伎座お運びいただけましたでしょうか? 今年は曜日の関係でお休みをいつもより長く取っておられる方も多いようで、道の混み方も例年と違って感じられます。私は例年通り、元旦はお年始廻り、2日より歌舞伎座と、お休みの無い正月でした。そして、今年も相変わらずマイペースで原稿提出が遅くなっております。
昨年12月13日に松竹の永山会長が急逝され、戦後歌舞伎の一時代が本当に終わったと感じました。父たちの時代の方々と共に松竹を支えてこられた会長が亡くなられ、歌舞伎も変わってくるのではと思います。私といたしましては自分自身も精進しなくてはいけませんが、父たちに教わった事を次の世代に伝えていくことを、微力ではございますが、今まで以上にしっかりとしていかなくてはと存じます。
昨年の暮は中村屋の古いお弟子の源左衛門さん、父の代からのお客さま、松助のお母さん、鳴物の傳兵衛さんと続けて逝かれ、寂しい年の瀬となりました。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。


さて昨年は、正月の八汐から始まり、師走は増田正蔵で終わりました。この二役とも今までの、私のキャラクターには無かったお役だったと思いますが、ある意味で楽しく演じさせていただきました。
八汐は女形で悪役ではありますが、品格が必要で型のあるお役でございました。増田正蔵は武士ではありますが、下級武士で、役の上での品格は必要ではございませんし、書き物ですので型もございません。(但し、父の教えとしてどんな役を演じていても役者としての品格は大切にしなくてはいけないと云われておりますので、下品な役でも品格をもって下品に演じるようにいたしております。)演出家:菊五郎さんと相談しながら自分なりに、序幕は弱虫ではあるが純真な若者を、二幕目はすっかり変わって好色で嫌な奴といった老年を演じてみました。最後にはちょっと救いを残す演出でございましたので、気持ちよく勤めさせていただきました。
昼の部の「勢獅子」は京屋の兄さんが御出演くださり、舞台を大きくしてくださいました。本当にお綺麗な江戸前の芸者姿で惚れ惚れといたしました。若い人に負けずにというより、京屋さんの芸者に釣り合う鳶頭の大きさがでるように勤めるようにいたしました。
一年の舞台の締めは、自分では気持ちが良かったですが、皆さまはどう思われましたでしょうか?
昨年は何といっても、4月歌舞伎座での父の五年祭を華やかにさせていただいたことが一番の思い出でございます。ご出演を、皆さんのほうから仰ってくださったと伺い、有難く思う気持ちと、父の偉大さを改めて感じた次第でございます。今年も父に一歩でも近づくよう、日々の舞台を大切に勤めて参りますので、劇場にお運びのうえ、ご後援の程お願い申し上げます。


正月の舞台でございますが、序幕の踊り「松竹梅」の松の巻で業平を踊っております。昨年9月に「六歌仙」の業平をいたしましたが、今回は従者の幸ちゃん(橋之助丈)との踊りとなっております。正月の祝の舞、雅に平安の歌人を踊らせていただいております。
「勧進帳」の富樫のことは何度も書かせていただいておりますので……。今回は高麗屋の弁慶、何度もご一緒いたしておりますので、"狎れ"がでないように、また神谷町の兄さん(芝翫丈)が義経でございますので、位負けいたさぬよう気をつけております。部屋子梅丸が太刀持ちをいたしておりますが、25日間毎日が初日と思って、気の緩みがでないよう勤めてほしく思っております。
夜の部「金閣寺」直信は、"為所"の無い、風情だけで見せるお役でしょうか。なんとなくあの場面に出てきておかしくなく、雪姫との台詞の中に夫としての風情と、哀れみがあればと思い演じております。

2月も歌舞伎座出演でございます。
「仮名手本忠臣蔵」の通しでございます。
夜の部では初役で定九郎を勤めます。またその話は次回の「ひとりごと」で書かせていただきます。

寒さ本番となりました。お風邪など召しませんようお大切になさって、歌舞伎座にお出ましください。
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