ひとりごと 〜 06/12

師走となり、いつもと変わらぬ日々なのに、何故か慌しく感じられるこの頃でございます。
今年最後の「ひとりごと」となりました。一年が早く感じられるような、父の五年祭をしたのが、ずっと前のことに思えるような……、そんな年の暮れでございますが、久しぶりに歌舞伎座に出演させていただいております。
南座ですと毎日のようにお付き合いがございますが、東京ではそのようなことも無く、健康的な毎日を過ごしております。

昼の部では「勢獅子」─ 鳶頭を久しぶりに踊っております。今の松緑君のお父さんと踊ったときは、獅子は勿論のこと、馬にまたがる振りのところも全部2人で踊りましたが、若かったのだと思います。今回は普段と違い、京屋の兄さんが芸者役で出演なさり、舞台を大きくしてくださっております。本当にお綺麗で、江戸前の芸者になりきっておられるので、ご一緒に踊らせていただくのは大変緊張いたしますが、楽しくもあります。
「出刃打ちお玉」の増田正蔵 ─ 池波正太郎先生が梅幸おじさんのために書かれた作品で、初演の増田正蔵は紀尾井町のおじさん(二世松緑丈)がなさったとのことですが、拝見しておりませんので、おじさんのイメージからどのように演じられたか想像できないでおります。
新歌舞伎ということで、菊五郎さんや演出の寺崎先生も自由に役作りをさせてくださいましたし、今まで演じたことのないようなお役を自分で作る楽しさはございましたが、菊五郎劇団のチームワークと世話物の雰囲気を壊すことのないよう注意いたしております。イヤな男になるのですが、最後に救いがあるような、池波先生らしい作品で、演じていて楽しい役でございます。

10,11月と硬いお役が続きましたが、今月は二役とも四角ではなく、円いお役と云えるのではないでしょうか。年の瀬を歌舞伎座で、楽しい芝居で締めるのもよろしいかと思いますのでお出掛けください。


11月の「御浜御殿」─ 気持ちよく勤めさせていただきました。前の幕と台詞がかぶるのが心配だったのですが、かえって御浜御殿の綱豊卿の気持ちが良く分るとのご意見もあり、ご見物には違和感なくご覧いただけたようで、安堵いたしました。台本で読むのと舞台では違うのだと、改めて感じた次第です。
梅蔵が2ヶ月続けて良いお役をいただき、少しずつそれらしく見えるようになってきたようではございますが、これからもっと勉強してほしく思います。梅丸も恙無く一ト月勤めましたが、こちらも勉強、勉強です。今月も、昼夜で台詞をいただきましたが、生意気にならずに、素直な気持ちで芝居に取り組んでほしく思っております。


今年一年、この「ひとりごと」お読みくださりありがとうございました。新しい年も舞台ご見物のうえ、ホームページもよろしくお願いいたします。
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