ひとりごと 〜 06/10

今日(10/6)の雨は東京でも100ミリを越えて風も強く、街路樹が倒れたり、水が出たりと台風並みだったとのこと、皆さまには、被害などに遭われませんでしたでしょうか? これから東北、北海道が荒れるとのこと、お気をつけくださいませ。さて、明日東京はお天気だけれど夏日になるとか。10月の衣替えといっても寒暖の差があり、風邪に注意の季節です。

今月は「元禄忠臣蔵」─ 三月(みつき)かけての全幕通し、第一部でございます。真山青果先生の作品は台詞が多く、播磨屋のお弟子さんが数えたところによりますと、大石蔵之助の台詞は200を超えるとか。それに比べて浅野内匠頭は大変少のうございますし、早くに切腹で退場いたしますので、播磨屋が冗談に「最後、お城の屋根の上に幽霊ででませんか? 終わる時間一緒になりますよ。」と言うくらい出番も短こうございます。昔から判官役者は切腹のあと、いつまでも楽屋に居てはいけないと言われております。「元禄忠臣蔵」とはいえ同じことと思い、播磨屋のせっかくのお誘いではございますが、早々に退散するようにいたしております。しかし、短くとも気の張るお役でございますし、この物語の発端のお役、浅野内匠頭に対する気持ちが物語を進めるのですから、それに相応しい人間像を描き、大きさ、品格は勿論のこと、2幕目では無念さとともに家来への愛情と信頼の気持ちを秘めた思いの中に表現できればと思っております。
新歌舞伎といわれる昭和初期の作品ではございますが、いつまでも新しい感覚を持って、古典となっても生き続ける芝居と存じます。綺麗な女形さんが出る芝居と違って、男の芝居(今月は女形の衣裳を着た方は、子役含めて3人のみ)といえると思います。台詞は現代語でございますので、解りやすいと思いますし、誰でも知っている物語。こういう作品から歌舞伎に親しむのも良いかもしれません。また「仮名手本忠臣蔵」と違った忠臣蔵を楽しむのもよろしいかと存じます。芸術の秋に、芝居見物も宜しいかと……。

先月の舞台、盛況の内に千穐楽となりました。恙無く勤めることができ ほっといたしましたが、翌日より国立の稽古と「勧進帳」の稽古と、お休みは1日もございませんでした。
1日の文化庁芸術祭祝典「弁慶二態」では、皇太子殿下の御行啓を賜わりました。能の「安宅」延年之舞が始めにあり、その後「勧進帳」を播磨屋の弁慶、芝雀さんの義経で富樫を勤めさせていただきました。播磨屋とは何度も勤めており、やりとり等心配なことは何一つ無いはずなのですが、一日だけと云うのは、かえって気が張るものです。終演後、貴賓室にて皇太子殿下に、「安宅」をお勤めになられた近藤乾之助先生、播磨屋、芝雀さんとご挨拶させていただきました。近藤先生は素で演じられておられましたが、弁慶、義経は大口の袴、私は長袴でしたので、長袴をたくし上げて貴賓室に行くまでが大変でございました。(普段の舞台では、長袴は舞台袖で着付け、終わると袖で脱いでおります)東宮様は「勧進帳」は初めてとのことでございましたが、「お能とはまた違った迫力がございますね」とのお言葉がございました。また、歌舞伎座にも御行啓賜りたく思います。

来月も国立劇場「元禄忠臣蔵」第二部の「御浜御殿」、綱豊卿でございます。御園座の梅玉襲名の時に、また南座での父の一年祭で演じた思い出の役でございます。東京では初めてかと思っておりましたが、歌舞伎座で一度演じておりました。役作りについては次回書かせていただきます。


最近アメフトのシーズンが始まりましたので、夜はそのVTRを見るのに時間を使っておりますため、今回も短く失礼いたします。
皆さまも芸術の秋、スポーツの秋、そして食欲の秋と、お楽しみください。

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