ひとりごと 〜 06/05

5月、ゴールデンウィークといっても、芝居の世界に入った時から休みとは無縁となっております。皆さまには楽しい休暇をすごされたのでは…。早々に團菊祭ご見物の方もおられたのではと存じます。
先ずは、4月亡父六世歌右衛門追善興行も無事千穐楽を迎えさせていただきましたこと、御礼申し上げます。昭和の歌舞伎が並んだ演目でございましたので、知らない作品=面白く無いのではと危惧された方もおられたようでございましたが、とても楽しかったと言っていただけ安堵いたしました。新作であっても歌舞伎の芸で演じることと常々父は申しておりましたが、難しさと、その意味を改めて勉強した一ト月でございました。昭和の作品であっても歌舞伎と感じていただけ、初めての方にも「歌舞伎って分りやすくて面白いですね」と仰る方が多くいらっしゃり「又来ます」の声に、父の仕事の確かさを感じました。
弟魁春は、父の役を演じましたのでプレッシャーもあったかとは思いますが、今回の舞台は父もほめてくれたのではと思っております。皆さんが父と比べるのでかわいそうに思うこともありますが、父と違った面を素直に出せるようになって、そのうえで時としてそっくりなのに驚きました。私は立役なので、弟のようなプレッシャーはありませんが、父の教えである"一日一日の舞台を大切に勤めること"を肝に銘じて一月の舞台を勤めさせていただきました。また、出演者の皆さま方が父に思いをよせて舞台を勤めてくださり、口上でも心のこもったお話をしていただけましたこと、本当にありがたく、感謝いたしております。少しは親孝行ができたのではと思っておりますが、父はなんと申しますでしょうか?
歌舞伎座二階の展示、ご覧いただけましたでしょうか?自分の親のことを言うのもおかしいのですが、本当に良い役者だと思います。あの写真を見ていると、私達のことを怒るのは当然かなと思ってしまいます。そして一階ロビーの祭壇、気づかれましたか?花が大好きだった父のためにと、3日ごとくらいに染井吉野,八重桜,鉄泉,菊桃,藤,芍薬,乙女百合、そして最後にもう一度芍薬と活け変えてくださり、歌舞伎座スタッフの心使いがうれしく、父の喜ぶ顔が見えるようでした。高円宮妃殿下が追善パーティーに御成りくださり、筋書きにお言葉をおよせくださりましたことは大変有難く、父も感謝していると思います。 
楽の翌日は一日休暇でしたが青山墓地にお参りにまいり、心新たに、公も私も精進することを約束してまいりました。

五月團菊祭での夏雄さん(團十郎丈)の復帰、嬉しいかぎりです。無理せず大事にしてほしいと切に願っておりますが、共演できることは悦びでございます。理屈の芝居ではありませんので、華やかな幕がより華やかとなるよう勤めさせていただいております。
夜の部では菊五郎さんに意見を言う役。それなりの大きさが出るよう勤めさせていただいております。今月、梅蔵が名題として2ヶ月目となりますが、台詞のある役を頂戴しております。毎日を大切に一歩一歩進んでほしく思っております。梅丸も團十郎さんにお声を掛けていただき、「江戸の夕映」に出演しております。何も教えずに、稽古に出しましたのですが、團十郎さんに良くお教えいただきありがたいことでした。台詞もあり、一人で花道を引っ込んでいくという、本人にとっては夢のようなお役でございます。芝居が楽しくて、の段階でございますが、これからが本人も大変になると思います。皆さまには暖かい目で、それでいて厳しくご指導いただきたくお願い申し上げます。
私は先月と違って出演時間も短く、間もゆったりしております。忙しい月もあれば、ゆったりとした月もあり、それで身体ももつのだと思います。来月も引続き歌舞伎座出演でございます。播磨屋作の「藤戸」は初めてでございますので、播磨屋に良く相談して勤めるつもりです。「二人夕霧」今回は本役となります。何もしないところで風情がでるようになれば……、と思っております。

8月までお休み無しで舞台が続きます。8月の前半は歌舞伎体験教室の指導と、藤間宗家の会がございます。健康に注意して舞台を大切に勤めてまいりますので、皆さまも劇場にお運びいただきたくお願い申し上げます。

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