ひとりごと 〜 06/03

雛祭りも終り3月も、もう半ばになってしまいました。管理人さんがさぞかし心配したと思いますが、何時ものどおりのマイペース、お許しください。 2月博多座は思ったより、暖かい日が多かったです。皆さんが言われていたように、美味しいものが沢山ございました。出番が最後まででございましたので、そうは食べ歩きできませんでしたが、ふぐにあらという高級魚もご馳走になりました。烏賊の姿造りにもちょっと感激いたしました。海が荒れると取れないとのことで、予約しても食べられないこともあるそうです。東京や京都からご見物にいらしてくださった方々も芝居はもちろん、博多の味覚もお楽しみいただいたようです。

芝居のほうは、まず一月に続き「八汐」。藤十郎兄さんの力の入った演技に引っ張っていただき、なれが出ないよう無事勤めることができました。悪役は演じていて、面白いです。これからも、政岡役の方々からお声を掛けていただきたく思っております。
「与三郎」時蔵さんのお富でも何回か勤めており、蝙蝠安の弥十郎さんも気心の知れた仲ですので、楽しく勤めさせていただきました。
千穐楽当日に帰京なさる方が多かったのですが、私は時間的に間に合わないと断念し、翌日の朝の飛行機に乗りましたが、荷作りで乗れなかったお弟子さん達にも大勢会いました。
羽田から家に戻り、着替えをして、松島屋のおじさんの十三回忌の追善パーティーに出席いたしました。国立で演じた紙子仕立の助六の時には、おじさんが演技指導を一から十まで見てくださり、おばさんが衣裳を選んでくださった思い出がございます。襲名のおりにも本当に良くしていただきました。おじさんの菅丞相で輝國をさせていただいたのはついこの間と思っておりましたら、もう十三回忌とのこと。ご子息三人とお孫さん、曾孫さんが揃って並ばれおじさんもお喜びになったことでしょう。
今月末には私共も父の五年祭の追善パーティー、そして4月は追善興行です。今月の休みは、その準備に費やしております。(原稿の遅れた言い訳含む)
四月興行の演目はすべて父に縁の作品で、初演した作品、復活した作品等めずらしい狂言が並びます。出演俳優の皆さまもお陰様で、父の追善ならぜひにとおしゃってくださり、豪華な顔ぶれとなりました。
私は序幕の「狐と笛吹き」を前回京都南座と同じく、福助君のともねで勤めます。北條先生の作品で、初演は寿海のおじさんと父のともねでした。なんとも不思議な話ですが、お伽噺のようなロマンがあり、優雅な世界が描ければと思っております。梅蔵がこの中で私の友人役を勤めます。名題披露ということで、幹部俳優にまじってのお役ですので、私も心配ではありますが、研究して演じてくれればと思っております。何のお役でも二度目が一番難しいと父にもよく言われましたが、私自身も亡父に叱られないよう心して役作りをしなくてはなりません。
「高尾」─ 京屋の兄さんが踊られます。荻江の名曲で父も好きな作品でございました。兄さんが立っておられるだけで、高尾の雰囲気が舞台を包むのではと楽しみにいたしております。
「弧城落月」─ 神谷町の兄さんが淀君をなさいます。この乱戦に新しく部屋子になりました梅丸が出させていただきます。前髪の鎧武者でちょっと立回りをいたしますが…。廻りの方々にご迷惑をかけずに一ト月恙無く勤められればと思っています。
さてその後が「関八州繋馬」─ 近松の原作を父が取り上げ、戸部先生に脚色を、先々代藤間御宗家に振付けをお願いした作品でございます。その戸部先生も昨年暮に亡くなられ、今年は先々代御宗家の十七回忌にもあたります。この作品の初演にかかわった方々皆さまへの追善の作品となりました。魁春が初めて隈取をいたします。この中で玉太郎が松江を、新松江の長男が玉太郎を襲名いたします。私も間狂言で里の男を播磨屋と務めますが、間狂言はご見物にとって息抜きの場でもございますので、楽しく踊らせていただきたく思っております。古風な味わいとなっており、配役も豪華でございますので、お楽しみいただけるのではと思っております。

夜の部始めは「井伊大老」─ 先の高麗屋のおじさんはこの作品が最後の舞台でございましたが、父にとっても歌舞伎座最後の舞台となりました。その思い出の舞台をその時の大老役播磨屋と父の役を魁春が勤めます。
二番目は「口上」です。皆さまに父の思い出を語っていただきますが、又五郎のおじさんが出演くださるのが、嬉しいことです。今では父のこと事を「藤雄ちゃん」と呼ぶただ一人の人ですので、お元気でいていただきたくせつに思っております。
「時雨西行」─ 藤十郎兄さんの江口の君で西行法師を勤めます。バレエとのコラボレーションで川口ゆり子さんの江口の君で、歌舞伎座では、玉三郎さんといたしておりますが、今回は気持ちも新たに取り組みます。私の目にのこっているのは、父と先々代御宗家の舞踊会での舞台で、御宗家はもちろん、父も素で江口の君を演じました。本興行では取り上げたことがながなかったのですが、踊りの会で何度か踊っており、小山観翁さんより昭和17年に七代目高麗屋のおじさんと踊ったお話を伺いました。古い写真にそれらしい写真がありましたが、もちろん私の知らない時代のお話です。
最後は「伊勢音頭」─ 松島屋の貢で、喜助をいたします。

夜は3本続きますし、昼も2本、序幕より最後までですので、健康には気をつけなくてはいけません。父の元気だった頃はもっと大変だったと歌江さんに言われますが、確かに年表を見ると4役,5役としている月がございます。それも大役ばかりですので、私が大変大変と申しますと父から叱られそうです。

4月は見ないと損をする座組・演目です。
お揃いで昼夜ともご見物いただきたくお願い申し上げます。舞台に劣らず、皆さまに客席も華やかにしていただきたく重ねてお願い申し上げます。

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