ひとりごと 〜 06/02

1月千穐楽の翌日、4月歌舞伎座での亡父六世歌右衛門追善興行の記者発表が東京會舘でありました。大勢の演劇記者の方がご参加くださり、和やかな会見となりました。父は東京會舘のお菓子「マロンシャンテリー」が大好きで、東京會舘に来たらプレーンオムレツ・コキール・マロンシャンテリーを食べるべきと常々言っておりましたので、ご出席の皆さまにエピソードを添えて、お土産としてお持ち帰りいただきました。結構甘くボリュームがあるのですが、松竹のプロデューサーが来られたときに出すと、残すと機嫌が悪くなるので、辛口の方はその甘さに閉口されたことなど思いだされました。
さて4月の追善でございますが、この興行で一門の中村玉太郎が六代目中村松江を襲名し、息子の河野彩人が五代目中村玉太郎を名乗り初舞台を踏むこととなりました。併せて、私門弟梅蔵と、魁春門弟歌松が春花(しゅんか)と改めて、名題の列に加わらせていただく運びとなりました。また歌舞伎俳優になりたいと2年前より私の処で、修行をしてまいりました森正琢磨を中村梅丸と名乗らせ部屋子といたすこととなりました。追善と併せて、一門にとりまして大変重要な興行となりましたので、皆さまのご見物の程偏にお願い申し上げます。
この追善興行が決まりましたときから、先輩同輩、大勢の方々が是非出演をと言ってくださり、大変豪華なメンバーとなりました。一年祭の折には古典が中心でございましたが、五年祭は亡父の復活した作品、書き物、舞踊などの演目となります。久しぶりの上演の作品もございますが、これを期に作品として定着すれば、父も喜ぶのではと思っております。ご覧いただいて損の無い興行でございますと言うより、御覧いただかないと損をする興行になると自負しております。是非とも4月の歌舞伎座へのお出掛け重ねてお願い申し上げます。
記者会見の後、松竹本社に揃って伺い永山会長始め皆さまにご挨拶を、その後は2月の柝の会の歌舞伎公演「源氏店」の指導をしておりますので、博多へ発つ前の最後の稽古に参りました。2月に私も与三郎を演じますので、指導しながら自分自身の稽古もしたことになりました。その後岐阜入、28日は当地での演劇普及活動をしている財団の催しで、講演をいたしました。父の思い出、修行時代のこと等、国立劇場におられた持田さんの司会でお話させていただきすぐに帰京、明日は博多へ出発ですので、早めの提出をとこれを書いてます。

さて、1月の歌舞伎座、昼の部は14分だけではございますが、新年の最初の舞台。一年の幸せを祈って、雅に舞ったつもりでございますが、如何でございましたでしょうか?優雅な気分になっていただけたなら幸いでございます。踊り終わって、一旦家に帰り、4時頃再び楽屋入りをいたしました。口上、12月京都南座のときと変えた藤十郎兄さんへのお祝いの気持ちを申し上げました。
「先代萩」八汐、久しぶりの女形は多少苦しかったですが、前から演じたかった役、適役ですのでお客様の反応がストレートに伝わってきて、ある意味自分では気持ち良く勤められました。意地悪い、それでいて局としての品位、格がでるよう、歌江さんや、藤十郎兄さんにいろいろとアドバイスをいただきながら工夫いたしましたが、来月も同じお役でございますので、なれが出ないよう、気を付けて演じたく思っております。虎之介君にも普段は優しいおじさんに徹して、嫌われること無くすんだようです。
来月は「口上」「先代萩」「源氏店」ですので、改めて役作りについては書くことも無いかと思いますが、何度もしたことのある役は、なれが出てしまわないよう、心して新たな気持ちで勤めたく思っております。2月の博多は寒いけれど、食べ物は冬の方がおいしいですよと皆さんに言われるので、それも楽しみの一つです。
博多の冬の味覚と、芝居見物にどうぞお出掛けください。
そして、4月の歌舞伎座よろしくお願いいたします。
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