ひとりごと 〜 05/09 (2)

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3,6,9日と清里フィールドバレエに特別参加させていただきました。
前回の作品「時雨西行」があまりにも野外ステージにマッチしており、作品としての完成度も高かったので、今回は作品を選ぶ過程で、苦労いたしました。前回と同じような作では能がありませんので色々と考えてしまいましたが、音楽も今回は邦楽を使うこととし、最終的には「切支丹道成寺」を選びました。
平井澄子先生作曲のこの曲自体、洋楽とのコラボレーションではございますが、長唄を基本とした曲でございますので、私自身は入り易く踊り易うございました。しかしバレエの方々は歌詞で踊ることがないのでご苦労がおありだったようですが、あまり歌詞を意識なさらずにとお願いして振付けていただきました。私も前回は素踊りでいたしましたが、役作りでも変化を付けるべきかとも考え、衣裳・鬘を着けて演じることといたしました。まだまだ手直しするべきところもあるかとは存じますが、屋内の劇場でも再演したい作品となったように思えます。
3,6日は無事野外ステージで踊ることが出来ましたが、9日千秋楽は夕方からの雨が降り止まず、その雨の中、傘をさして待ってくださる方々が大勢いらいたのに驚くと同時に、早く止むようにただひたすら祈るのみでございました。ダンサーの方は勿論のこと、私も化粧をし、雨があがったらいつでも踊るつもりでスタンバイしておりましたが、9時半になっても雨脚は強くなるばかりで、野外での公演は中止となりました。残っておられたお客様のためにとお稽古場で「切支丹道成寺」をお見せすることとなりご案内したところ、二百人を超えるお客さまがお入りになりました。舞台の4分の1の大きさ、照明も両袖の隠れる場所も無い所ではございましたが、かえって我々演者と客席が一体となったようで、お客さまにも満足していただいたように思いました。「来年必ず見に来ます。」とおっしゃっていただけたことは大変嬉しく存じましたが、それだけに野外ステージで見ていただきたかったとの思いにかられました。
シャンブルウエストの団員の方達は皆、今村・川口先生を慕い、尊敬し、また両先生も団員達を信じて大切に思っておられるのがとても素晴らしく、そこからチームワークのとれた良い舞台が生まれるのだと感じました。フィールドバレエ中の合宿所で、公演後団員の方々のアットホームな雰囲気の中で両先生、蘭黄さんと舞台の反省などを話し合いながら食事をするのも楽しみの一つです。また機会があれば参加したく思っております。
忙しい夏で旅行はできませんでしたが、清里で涼んだのが休暇でもあったかもしれません。4,5日は舞台もございませんでしたので、のんびりといたしました。5日には弟魁春と、中学時代の友人夫妻も清里に来てくれ、楽しい時間をすごしました。魁春がめずらしく6日の私の舞台を見てくれました。それで、9日が雨になったのかな…?


さて9月の舞台ですが、昼夜とも初役となります。
昼の部「東海道中膝栗毛」は、いわゆる弥次さん喜多さんのお話でございます。今年開催されている愛知万博をひっかけて、尾張万博守は最後の締めに万博の最高責任者でもある尾張の殿様として登場いたします。役作り……といたしましては、あまりおちゃらけずに殿様の格を持って演じつつ、この芝居の持つ味を壊さず最後を締めたく思っております。

夜の部「忠臣連理の鉢植」は国立で鴈治郎兄さんがなさったのが、30年以上前でございます。忠臣蔵外伝ではございますが、もともと上方のお芝居で、私の演じます弥七実は千崎弥五郎は、いわゆるつっころばしのお役といって良いでしょう。何度も申しているように、東京人の私には不得手といたします役どころでございます。今回は鴈治郎兄さんのなさったのを参考にさせていただきながら、自分なりの弥七を作り上げたいと研究いたしました。討ち入りを目指す武士像を大切に、理屈ではなく関西風雰囲気のオブラードにくるみ、ご見物に面白く見ていただける舞台に仕上がればと思っております。


夏のお疲れが出る頃かとも思いますが、歌舞伎座で英気を養っていただくのも良いのでは、と存じております。
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