ひとりごと 〜 05/06

さわやかな季節の5月ですが、突然の大雨に驚かされたりもした月でした。
「芝居前」のみの出演でございましたので、お祝いの気持ちといなせな気分で務めさせていただきました。3ヶ月の長丁場、無事務められて、哲ちゃん(新勘三郎)もホッとしたと思いますが、まだまだ続く襲名興行。哲ちゃんはもちろん、好江ちゃん(勘三郎夫人)始め廻りの方々も身体に気を付けて恙無く務められますよう願っております。

さて、私の5月は芝居のあと八王子に「切支丹道成寺」の稽古にまいりました。思っている以上に、うまく纏まったように感じておりますが、今回は川口ゆり子さんと一緒に踊るところもあり、日舞風の音のとり方ではなく、バレエ風の音のとり方をしなくてはと…? 6月にばっちり、稽古いたします。
稽古のあと、今村・川口ご夫妻、バレエミストレスの姫野さん、蘭黄先生と私共夫婦での会食。作品へのアイディアを中心に多方面の話が楽しくもあり、勉強にも刺激にもなりました。また、小嶋章司さんのフラメンコを拝見に行きました。何時も感じることですが、ご自身が作り出す、幽玄の世界で自由に舞い、楽しむ。舞台人として本当に羨ましいかぎりです。今回の公演では「生と死」と云う、重い題材ではありましたが、バレエの方、ヒップホップのダンサーとのコラボレーションで、おもしろく拝見させていただきました。

NHKホール公演も無事終わりました。歌舞伎向きの劇場とはいえませんし、テレビ中継用にマイクで声を拾うので、2,3階のお客様にはスピーカーを通した声が聞こえることもあるようですが、歌舞伎の雰囲気には浸っていただけたのではと存じます。御大将で務めたつもりでございますが、如何なものでございましたでしょうか?
新潟と先斗町の花街の芸奴さん方が、一部で出演なさっておられました。新潟の「相川音頭」編笠をかぶっての踊りが大変しゃれていて、父も大好きで新潟に行くと所望していたのを思い出しました。先斗町御連中は顔見知りの方々が、舞台にも客席にも来ておられました。

6月は久しぶりに昼夜の出演。ピンキリとなってしまいましたので、途中は家に帰って昼寝でもいたしましょうか?「切支丹道成寺」の稽古にも行かなくてはなりません。7月は巡業ですので、今月中に振りを覚えなくては…、と思っております。
先月萌木の村のビールが美味しいと書きましたが、ラベルに私の写真の入ったビールが2種類、期間限定で7月に発売されることとなりました。ぜひ、お飲みになってください。ラベルはともかく、美味しいです。

6月のお役のことでございますが、まずは「輝虎配膳」
通し狂言の中の一幕でございますので、輝虎の人間像をこの幕だけで表現するのは非常に難しく、間違えるとただ短気な、知恵の浅い殿様に見えてしまいます。亡父もそう申しておりましたが、亡くなった十三代目松島屋のおじさんが結構でした。幸ちゃん(橋之助)と葵大夫さんが松島屋のおじさんに習っているとのことでしたので、話を聞いたり、資料をお借りいたしました。孝太郎さんもおじい様のテープを届けてくださり、今回越路をなさる秀太郎兄さんは前に我當兄さんの輝虎でお勝をなさっておられるので、お話を伺いました。文楽でも大変難しいと言われている一幕。綱太夫さんのテープを聞いたりもいたしましたが、丸本歌舞伎として押し通す以外にないと存じます。難しい作品ではございますが、古風な雰囲気がだせればと思っております。
「吉原雀」─ 清元では何度も踊っておりますが、後半鳥の精になる長唄では初めてでございます。歌舞伎舞踊の代表的な踊りでございますし、弟魁春と踊るのは久しぶりなので楽しみでもあり、苦しみでもありといったところでございましょうか。

梅雨の季節となりますが、梅玉の梅の字の季節でもございます。鬱陶しい季節と思われずに、どうぞ歌舞伎座に昼夜お運びくださいませ。
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