ひとりごと 〜 04/11 (2)

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先月の舞台、ピンきりでしたので、途中一度家に帰り休みました。あいだに休めるのは良いのですが、あまり時間が空き過ぎると、気持ちと身体のもっていき方が難しくなりますし、食事の取り方、時間にも気を使いました。
舞台の方ですが「箙の梅」─ 前回の「ひとりごと」にも書きましたが、さしてどうというお芝居ではございませんが、綺堂先生らしい品の良い浪漫あふれる芝居かと存じます。設定の年齢が21〜22歳。重い鎧を着て、花道を闊達に走って3往復、結構しんどく感じられました…。
風流を演じて娘を殺した心の苦しみを、美しさの中で表現したく思い、廣田顧問とも相談いたしましたが、ご見物の方はどう感じられましたでしょうか? 新歌舞伎は古典と違い、どうしても暗転の時間が長く、芝居が間延びして感じられることがございます。初日が開いてから、廣田顧問も私もそれを感じ、幕外、花道での立ち回りを入れるようにいたしました。初日近辺ご覧のお客様、ごめんなさい。この作品も埋もらせず、大事に上演していきたい作品の一つでございます。
「河内山」─ 高麗屋、播磨屋とは何度もしておりましたが、松島屋とは始めてでございました。何であれ息が合わなくては面白くなりません。気を抜くと回数の多い播磨屋との遣り方になってしまいますので、主役に合わせるよう心して毎日の舞台を務めました。理不尽でも、やられても品良く、位取りはしっかりと保たなくてはいけないお役です。今回改めて感じましたが、この役、結構衣装替えるのですよね。

初役のため稽古中はとても原稿書く気になれず、原稿提出が遅れたため─ プレッシャーをかけられました。先にも書きましたとおり、顔見世とは思えない暖かい京都でございます。稽古中は籠本のおかあさんにお線香をあげに伺うだけで、劇場とホテルの往復でしたが、初日、2日目と義理のあるお店に参りましたが、皆さんご見物もいただけるとのことで京都ならでのお付き合いかと思います。
大好きな大市の鼈(スッポン)も参りますが、ラストオーダー時間ぎりぎりなので、いつもの鼈メンバーに先に行って始めてもらうことにしております。4年前歌舞伎座に出演していた魁春が、鼈を食べるためだけに日帰り往復したのを思い出しましたが、大市さんはそうしても食べたいお店です。
父の追善・魁春襲名披露興行で一昨年5月に来ておりますが、顔見世は4年ぶりですので、知っていた舞妓ちゃんが襟代えして、芸奴さんになりすっかり綺麗になっているのに驚きました。総見の折に簪のまねきにサインを頼みにきた新しい舞妓ちゃんの名は、なかなか覚えられそうもありません。伺わなくてはならないお店のリストを作り、身体の調子を見ながら旧交を暖め、楽しいひと時をと思っております。それにつけても、籠本のおかあさんが居ないのは寂しく感じられますが、楽しい賑やかなことが好きだったおかあさん、どこに行くにもきっと一緒についてきてくれることと思います。

訃報ばかりなってしまいますが、京都のお客様で花柳のお師匠さんをしておられた大島様が11月末に亡くなられました。今年米寿のお祝いの舞踊会をされたのに残念でなりません。京都出演の折は必ず、祇園でお食事をご一緒し、芸談を楽しく伺いましたのに、だんだんと昔の舞台のお話をしてくださる方がいなくなり、さびしく思います。
島田正吾先生… 父との「建礼門院」が忘れられません。父の希望で後白河法皇出演を島田先生にお願いし、共演がかないましたこと、父にとっても幸せなことでございました。先生、あちらの世界で新国劇は勿論ですが、父と「建礼門院」の共演なさってください。お優しいお人柄、舞台に向かう真摯な姿勢、沢山のことを学ばせていただきありがとうございました。ご冥福をお祈りさせていただきます。

さて、今年も今月を残すのみとなり、このHPも3年目を迎えることとなりました。ボランティアスタッフの努力に改めて感謝とお礼申し上げます。これからも皆様に支えていただきながら、マイペースで、仕事もHPもやっていきたく存じます。今後共益々のご指導御後援の程偏に宜しくお願い申し上げる次第でございます。
新しい年が、皆様にとって良いお年となり、災害に遭われた地の一日も早い復興と、そして、世界が平和となりますよう心よりお祈り申し上げます。
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