ひとりごと 〜 04/10

なんと災害の多い年なのでしょうか。台風がまた上陸し、大きな地震が新潟を襲いました。小地谷の 知人との連絡がつかず心配でなりません。災害に遭われた方々の心の傷を考えると、生易しいお見舞いの 言葉ではすまないと存じますが、一日も早い復興と、寒さに向かう折、皆様のご健康をお祈りいたして おります。

10月もお蔭様で無事、千秋楽を迎えさせていただきました。
「寿猩々」─ 博多ではいたしませんでした花道の引っ込み、如何でしたでしょうか? 八代目大和屋の おじさんはこの花道の引っ込みに重きを置いて振りをなさったと伺いましたが、やってみて「なるほど」と 思いました。鳴り物を幕外にだしての引っ込み、体力的には大変ですが、踊っていて気持ちの良いものでした。寿子姉さん(指導)も幕外の引っ込みまでして良かったとおっしゃってくださり、安堵いたしました。
「熊谷陣屋」の義経 ─ さしてしどころはございませんが、大将の位取りができていたでしょうか? 主役ではございませんが、梅幸おじさんは熊谷が自然に頭を下げることができるように演じられておられ ました。そのような義経を目標にいたしておりますが、演じるたびに難しくなってまいります。役者は 死ぬまで勉強と感じるお役の一つです。
「井伊大老」─ 時代の移り変わる流れの中、渦中にいる人間の苦しみと、一人の人間としての幸せを描いた 作品。高麗屋のおじさんも父もこの作品が歌舞伎座での最後の作品ですので、初日には二人の舞台が 重なってしまいました。父や、おじさんが我々のことを「何度もしているのに、ちっともうまくなってなくて 困ったものだ。」と言っているのが、聞こえてくるような気がいたします。時代のために自分をすて信念を 貫き、非情にならざるを得ない悲しみと苦しみを出せればと、務めましたが如何でしたでしょうか。
白鸚のおじさんの追善狂言に出演できましたこと、父も喜んでくれたのではと思います。

11月のお役でございますが、昼の序幕と、夜の切。間は7〜8時間ありますので、どうしたら良いのでしょうか?一度帰って、昼寝でもいたしましょうか?思案中でございます。
梶原源太景李 ─ 芝居では「源太勘当」が有名で私も何度か務めておりますが、「箙の梅」は初役となります。岡本綺堂先生の作品で、ドラマティックではございませんが、先生らしいロマンあふれた作品でございます。それを大事にした作品となるよう演出の廣田顧問と相談して作ってまいりました。戦の中であっても、 鎌倉一の風流者としての源太を演じたく思っております。
「河内山」─ 松江候は播磨屋とは何度も務めておりますが、松島屋とは初めてでございます。やはり演じ方、間の取り方が違っております。息が合わないと芝居が面白くなくなりますので、一日一日の稽古を大切に積み重ねてまいりました。お蔭様で松島屋との呼吸も合ってきたように感じておりますが、気を抜くことなく、大名の品位を落とすことなきよう、務める所存にございます。

今年もあと2ヶ月でございますが、12月は南座出演でございますので、歌舞伎座は今年最後となります。昼夜のご見物お待ちしております。

芸術の秋、歌舞伎見物お出かけください。
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