ひとりごと 〜 04/06

雨男返上…。今回、傘を持って博多座に通った日があったでしょうか? 梅雨時というのに前半には 乾燥注意報が出ておりました。台風の前あたりからじめじめとした暑さになり、楽間近かになって 梅雨空となりましたが、比較的過ごしやすい博多でございました。序幕より最後までの出演でしたが、 歩いてホテルの部屋から楽屋まで5分。1月と同様、途中ホテルに戻って休むことができ助かりました。 それがなかったら体力的に辛かったと思います。
そんな訳で中洲へ飲みにもあまり行きませんでしたが、美味しいお寿司屋さんを教えていただき、 魁春も一緒に、二度ほど参りました。今後の博多の楽しみが増えました。

さて舞台です。
始めの「寿猩々」は短い作品ですが、難しい振りがついており自分の物にするのは まだまだですが、これからも何度も踊らせていただきたい作品です。
「金閣寺」─ 魁春の襲名披露狂言です。何か披露演目で一緒にと思っておりましたので、 直信で出演でき、嬉しかったです。さしてしどころのない役で、風情で見せるこういう役は逆に難しい ものです。出た時に直信に見えて、その存在を理屈なくお客様に納得させることが出来るように なりたいものです。
「口上」─ 大劇場での一ヶ月の披露としては最後の口上となりました。今回は幹部さん大勢からの口上を との劇場側の意向もあり、高麗屋さん、時蔵さん、翫雀さん、信二郎さん、孝太郎さんが、始めて口上を 言ってくださいました。暖かい気持ちのこもったお祝いの言葉が有難く、今回も身の引きしまる思いが いたしました。
「勧進帳」─ 富樫はやはり、気の抜けないお役です。演じれば演じるほどに、難しくなってくるように 感じられるお役の一つです。相手あっての運びですので、弁慶をなさる方によって間の取り方が変わります。 高麗屋さんとは何度も共演させていただいておりますが、博多座では始めて。日々細かい違いもございます ので、慣れによるたるみの出ないよう、心して務めさせていただきました。
「権上・権下」─ 権上の夢覚めで終わる方が洒落ているのでは…、とも思いましたが、権下の清元の曲が とても良いもので、また時蔵さんの小紫が、心のこもった演技で結構なものでした。お蔭で私も権八の 役作りが気持ちよくできました。このお役も風情で見せる役でございます。悪事を働いていながら、 それを感じさせないでご見物に同情を寄せられるような二枚目……。そんな権八になっておりました でしょうか?

博多まで、東京より日帰りでご見物くださった方もいらしたとのこと。初日は大道具、早変わりに時間が かかっておりましたが、7日目あたりより終演時間も早くなったので、最後までご覧になれたのではと 思います。遠方よりのご見物は勿論のこと、九州のお客様にも、ご観劇御礼申し上げます。


さて、7月は魁春襲名披露巡業東コースです。初日は6月30日八王子、千秋楽は7月30日厚木で、北は札幌、 西は岐阜までです。
播磨屋さん、歌昇さん、芝雀さん、そして東蔵、玉太郎、魁春、私の一座です。気心の知れた仲間ですので、 和やかな旅が出来るのではないかと思います。
出演作品は「口上」と「旅路の花婿」の勘平です。梅玉襲名のとき、京都南座で鴈治郎兄さんのお軽で させていただきました。まだ元気だった父が私に小言いっているうちに、鴈治郎兄さんにまでダメ出しをして いた思い出がございます。
「あくまでも『忠臣蔵』の三段目であって、踊りの中に前後の物語が見えなくてはいけない」 「ただ踊って いるだけで、役になっていない」 「『忠臣蔵』ではない」 「性根が出来ていない」 ということを注意 されたのですが、注意、というより怒鳴られた思い出でございます。今回踊らせていただく にあたって、この注意を頭において、心して務めさせていただきます。
普段お芝居をご覧にならないお客様が、歌舞伎を好きになっていただければ…、と思っております。

26日千秋楽で、27日に帰宅後亀蔵さんの結婚式に出席。菊五郎劇団の皆さんの心温まる演出での披露宴、末永くお幸せに。
28日から稽古に入り、29日は八王子で舞台稽古です。暑い夏の巡業、少しでも身体の楽な移動が出来る ようにと研究しておりますが、健康だけは気をつけなくてはと思っております。お近くに伺った折には、 劇場にお運びいただきたく、お願い申し上げます。
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