ひとりごと 〜 04/04 (1)

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夏のような日があったかと思うと涼しい日があったり。4月は寒暖の差が激しい月でございましたが、 皆様にはお元気でゴールデンウィークを迎えられたのではと、羨ましく思っております。とはいえ金 丸座の千秋楽は早かったので、5日程稽古もなく、のんびりとすごしました。
その最終日、夕刊を開くと坂東吉弥さんの亡くなったニュース。驚いていると番頭の熊谷から連絡が 入り、会社からも電話がありました。急いで吉弥さんの自宅に伺いましたが、3月にご一緒した時は お元気に舞台を務めておられていたので、いまだ信じられずにおります。眠っているような吉弥さん…。 お酒を飲んで、そのまま横になったようにしか見えませんでした。歌舞伎界にとって大切な方がまた 一人逝ってしまわれたのです。無念に思いますが、謹んでご冥福お祈り申し上げます。

「吉田屋」─ 如何でしたでしょうか? 大勢さまのご見物、ありがとうございました。いつか本公演でも 演じてみたいとは思っておりますが、つっころばしは何度演じても、難しいものです。

金丸座 ─ 前日に岡山まで行っておりましたので、翌朝電車で瀬戸大橋を渡りました。めずらしく眠 らずに景色を楽しみました。4月に琴平に伺うのは始めてでしたが、満開の桜に迎えられました。近 くで見る桜はもちろんきれいですが、金毘羅さまの山に咲く緑の中の桜を金丸座のあたりから眺める のもなかなか良いものでした。東山先生が父の写真集の中表紙にお描きくださった画を思い出す景色 でございました。
この日は、「お祭り」と「再開桜」の舞台稽古をいたしました。翌2日はお練り。雨男といわれる私 ですが、共演者、ご見物の方々のお力で午前中で雨も上がり、金毘羅さまに成功祈願のお参りに行く 頃は陽もさしてきて、お練りは青空の下で行うことができました。
お練り終了後の舞台稽古は、「再開桜」「羽衣」で、魁春の宙乗りテストもございました。人力で吊 り上げ動かすのですから、吊る方も吊られるほうも大変で、自分でなくて良かったと思っています。 ここだけの話ですが、播磨屋も自分でなく、魁春でよかったと思っている一人です。立役の方が、怖 がりかもしれません……。なんにしろ、魁春は千秋楽まで無事空を飛べ、人ごとながらほっといたし ました。ボランティアの皆様、本当にお疲れ様でした。
初日から満員のお客様。ご見物の障害だった4本の柱も取れ、江戸時代にあった「かけすじ」も復活、 お客様の評判も上々でございました。「再開桜」は金丸座にしかない「空井戸」という舞台機構も使 い、あの芝居小屋にあった作品に仕上がっておりました。
私の役は、出番は多いのですが、さしてしどころのないお役ですので、ある意味で難しいお役でござ いました。ああいう白塗りの二枚目若衆は照れていたら出来ないお役ですし、客席が近いだけに、な おさら役に入っていないと演じられないお役でした。
「お祭り」は理屈ぬきに明るく、いなせに、華やかに江戸の香りがする踊り。気持ち良く踊らせてい ただきました。
魁春は「羽衣」を踊るのは今回で2度目ですが、先に書きましたように、今回復活した花道上の宙乗 りを使うために選ばれた狂言です。誰でも知っている昔話が題材の踊りですが、それだけに説明的、 現実的にならないよう、風情のある舞踊劇となるようにと心がけました。
金丸座は客席と舞台の一体感のある小屋でございます。現実離れした芝居はかえって気を使います。 でもお客様は宙乗りはもちろんのこと、すべての芝居を楽しんでくださったように感じました。
「口上」は、金丸座歌舞伎公演二十周年記念のお祝いと、魁春の襲名口上でございました。
舞台は6本出ずっぱりでございましたが、終演後はのんびりと過ごさせていただきました。食事の量 が多く、板さんに申し訳なく思いながらも残すことになってしまいましたが、宿では仲居さん始め、 スタッフの皆様に気を使っていただき、今回も居心地よく滞在することができました。
無事千穐楽を終え、19日朝の飛行機で東京に戻り、5日間の休暇を過ごしたわけです。
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