ひとりごと 〜 03/02 (1)
二月という月は他の月より2日程短いだけなのですが、楽が終わったと思ったらもう三月です。
初日が1日か2日の芝居に出る時ですと忙しく感じる月なのですが、3月の国立は初日が遅いのでのんびりと…
とはまいりませんでした!
何しろ「斑雪白骨城」は初めての本格的な演出。するからには良い作品に、再演される作品にいたしたく、
2月に入りましてからは芝居の合間に、本来でしたら半年前からしていなくては
いけない新作の打合せが急に多くなりました。(「ひとりごと」の遅くなった言い訳?!)
台本の最終チェック、衣裳装置、音楽、振付師との打合せ等が連日のように続きました。
舞台衣裳では初めて仮縫いも経験いたしました。英恵先生のお店で採寸を、大阪より戻ってすぐにいたしましたが、
これもスーツを作る時以外では初めてです。
1回目は白い布で形のみ。この時にデザイン画を見せて頂いたのですが、白い布なので私自身が着た時の
イメージは正直わきませんでしたが、英恵先生はイメージを膨らませておられたようでした。
2回目の仮縫いは2月 楽の翌日。(愚妻が時間を間違え、2時間も早く行ってしまい、しかたなく他の用事を
してから階下の喫茶店でお茶を飲んでおりました。振付けの蘭黄先生も早めに見えられたので、打合せも
できましたが…)今回は実際に使う布地での仮縫いでした。
私の衣裳も普段の歌舞伎では使わない布地と仕立て方ですが、外見は着付袴で動きも楽そうでした。
ところが孝太郎さんのお姫様の衣裳は、動きが大変そうで、蘭黄さんと動きの確認に時間をかけており、
英恵先生もそれをご覧になりながら直しを入れておられました。
"素晴らしい衣裳"としか今は申し上げられません。とにかく劇場にお運びのうえご覧いただきたく存じます。
仮縫い後の記者会見でも、どんな布地をとの質問に「ないしょ!舞台でご覧ください」と英恵先生も仰って
おられました。記者からの質問で今回のデザイン料のことがでましたが、英恵先生は「お金より、楽しい仕事が
でき幸せです。ただもっと時間をかけて、できることならすべての衣裳をデザインしたかった」と。
国立の制作室の方は金額については「………」 後は赤面しておりました。あの衣裳を見る限り、
先生はなによりも「引き受けた以上は良いものを」とのみのお考えであることが分かります。
先生にデザインをお願いしたのは私ですので、舞台の方も良い作品に仕上げなくては、と改めて思った次第で
ございます。
衣裳は斬新な場面もございますが、芝居自体は歌舞伎らしい、下座音楽と竹本での芝居となります。
「実朝」の方は台詞劇で、いわゆる新歌舞伎の感じになると思います。
こちらは音楽が小椋佳さんの作曲でオーケストラと和楽器の曲と聞いております。
清んだ淡色の芝居とイメージしておりますが、如何なりますでしょうか。
さて、役者としての私でございますが、実朝は武将といっても、どちらかと云えば、雅な雰囲気で、
自分のおかれた立場、母政子、北条氏に対する気持ち、亡兄頼家と公暁に対する苦悩、などの複雑な
心情が滲み出るように。
黒田如水の方は、もっと武骨でいて、策士でありながら、男の色気が出るように演じたく思っております。
新作では… と敬遠なさらずに、劇場にお運びよろしくお願い申し上げます。
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